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ネットワークカメラのメリット・デメリット

time 2017/09/25

ネットワークカメラのメリット・デメリット

こんにちは、24eye防犯情報サイトの管理人です。

みなさんは監視カメラといえばどんなものをイメージしますか?最近はペット監視カメラなどが身近になってきて、自宅でWEBカメラを使っているかたも多いのではないでしょうか? WEBカメラというのは通称のようなもので、業務用の防犯・監視カメラの業界ではネットワークカメラのことを指します。今回はネットワークカメラのメリット・デメリットについて説明したいと思います。

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ネットワークカメラはフルデジタル方式

以前ご紹介させて頂きました防犯カメラの規格の記事でも書きましたが、広く普及しているAHDやHD-SDIといったアナログ回線を使って高画質を実現するアナログハイビジョン方式に対して、ネットワークカメラはフルデジタルハイビジョンです。特徴としては全ての映像信号はデジタル方式でやり取りされるためにノイズなどの影響による画質劣化は起こりにくい方式です。録画装置(NVR:ネットワークビデオレコーダー)自体が沢山のカメラ接続に対応していることが多く、中にはライセンスを購入すれば数十台のカメラ映像を録画できる機種もあります。またメーカーによってはNVRを使わずにクラウドに映像を録画できる場合もあり、ネットワークに繋がっていればNVRが別の場所にあっても映像のモニタリングと録画ができるのも特徴です。

高画質で高機能のカメラが豊富

ネットワークカメラはカメラとパソコンが一体になったようなイメージで考えるとイメージしやすいですね。最近は400万画素を超えるような高解像度のカメラも多く発売されており4Kのモニターを使えばより大画面でハッキリとした映像を見ることが可能です。また顔認証システムなどの最新技術にも対応が容易であり、単に映像の監視だけではないプラスアルファの機能を導入し易いのも特徴です。ネットワークカメラの市場は年々伸びており、アナログ形式のカメラからネットワークカメラに変更する企業も増えてきています。
高画質で高機能のカメラ

データ転送量という物理的な弱点

ネットワークカメラは高画質・高機能であり、一見メリットばかりのように見えますが、24eyeではネットワークカメラを最優先で提案することはありません。それは何故か? ネットワークカメラは物理的にクリアできない致命的とも言える弱点を持っているのです! みなさんは『パケ詰まり』という言葉を聞いたことはありますか? 身近な事例では人混みの多い場所にいくとスマホのインターネット通信が遅くなったり、WEBサイトがなかなか開けないといった状況を指しています。もちろん各携帯会社が対策を講じていますので昔ほど通信の遅延が発生することも減って来てはいますが、これはネットワーク回線が混雑すると通信が遅くなったり、繋がらなくなったりするという『物理的な現象』を根本的に解決したものではありません。この通信遅延の問題はネットワークカメラにも全く同じことが言えます。例えば400万画素の高解像度カメラを8台設置したとします。それではNVR側で8台とも400万画素の解像度で記録できるかといえば、答えはNOです。これは400万画素の解像度のデータ通信では容量が大きすぎて通信が混雑して映像が大幅に遅延したり、映像が欠損するといった現象が起きてしまうためであり、実質は画質や記録コマ数を落とすしか方法ありません。それであれば400万画素のカメラ自体がそもそも必要ありませんし、400万画素の性能をなるべく活かそうとすれば相応の設備投資と高度なネットワーク知識が必要になります。

いざという時の証拠映像は担保されるか?

防犯カメラ・監視カメラの映像が時々飛んでしまうと先に聞いていたら、ネットワークカメラを導入しなかったのに…というお客様の声を頂いたことがあります。そのお客様は社内のネットワーク環境で大容量のデータをやり取りすることが多く、同一ネットワーク内にネットワークカメラを設置していた為に遅延が起きやすい環境にありました。そこにネットワーク知識が豊富ではない業者がカメラを設置して適切な設定を行わなかったため、数秒単位で映像が遅延するわ、録画画像が途切れているわで実際に監視カメラとしての機能を果たしていませんでした。このお客様は映像の遅延が発生しないアナログハイビジョンのカメラに総取り替えすることになりましたが、導入時に業者がお客様のネットワーク環境をヒヤリングして適切な設計をしていれば、そもそもネットワーク形式のカメラを導入していませんでしたよね。みなさんは『録画できていないかもしれない』カメラに数十万円の費用を使いますか? 恐らく答えはNOだと思います。
犯罪の証拠映像

デメリットを理解して賢く使う

それではネットワークカメラと賢く付き合うにはどうしたら良いでしょうか? デメリットばかり目立ってしまった感じもありますが、ネットワークカメラの特性さえ理解してちゃんと機器を構成すれば優れた高機能メリットを享受することができるのです。まず前提として、ネットワークの通信遅延は物理的な問題なので根本的な解決が不可能です。この時点で高画質・高解像度のカメラを複数台運用するようなケースではなるべく避けたほうが良いのは言うまでもありません。またカメラ台数が少ない場合でも外部にNVRを設置していたりクラウド録画している場合は、社内のネットワーク混雑度によって、これも遅延や欠損が起きる場合があります。またこれはネットワークカメラでもアナログハイビジョンカメラでも同じですが、遠隔ソフトを使ってスマホなどで映像を確認する場合も同じような現象が起きるので運用時には注意しましょう。ネットワーク混雑の問題をできるだけ回避してより安定した映像を録画したい場合は外部にNVRを設置したりせず、カメラを繋ぐネットワークとパソコンを繋ぐネットワークを共用しない様にしましょう。防犯カメラから直接NVRに接続している場合は社内ネットワークの混雑度合いに影響を受けないため、ネットワーク設計と機器選定がやり易くなります。また設置する台数のカメラ全てを最高画質・最高品質で見たい場合はネットワークではなくアナログハイビジョンカメラを使い、レコーダーのハードディスク容量を大きくして運用しましょう。ネットワークカメラのオススメ導入事例としては、複数の拠点に状況の把握ができれば充分程度の運用目的の場合は大変便利です。この場合全体像の把握ですので少々の遅延発生などは大きな問題になりませんし、各拠点にNVRを設置するのは必須ではないのでコストを抑えることが可能です。レジでのお金の受け渡しの把握などが運用目的の場合はコマ落ちが致命傷になりますのでネットワークカメラを使うのは避けましょう。全体の状況把握には適していますが1秒間に撮影するコマ数を重視するような細かい映像記録が目的の場合にはコマ落ちのリスクを伴うのでアナログハイビジョン規格のカメラを使った方がベターというのを覚えておいてください。このように、ネットワークカメラの正しい運用にはネットワーク知識と豊富な機器選定ノウハウが必要になります。企業が監視カメラとしてシビアな使用目的で運用する場合は専門家に相談してから決めるようにして、カメラを導入したけど使い物にならなかった!という事態は避けたいものですね。
賢く使う

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